「これは『ハッピーヒル』という品種なんですよ」
と穂を持っての野田さんの解説が始まった。
「?」
「稲穂があまり垂れませんよね。
実は、茎が丈夫な品種なんです。」
なるほど、
一昔前は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と
自然の中から謙虚さを学んでいたのですが、
稲の品種改良がすすんでいました。
毎年約40種の稲を栽培している野田さん 来年の種の分は先にきちんと採取済みでした。 色とりどり、形もいろいろ、 右上のノギが長いのもれっきとした稲、麦じゃあないですよ。 炊き込むといい香りが出る「香り米」というものも栽培しています。 (とこなめDASHむらの皆さん、実は2ヶ月ほど前にこの香り米をお預かりしました。 今度の収穫祭でいただきましょう、忘れてたら催促してねっ!!) |
慣行農法(通常栽培) と 自然農法 | |
慣行栽培では田植えの際に3〜4本づつ植えていきますが、 自然農ではたった一粒の種もみから発芽した1本を移植し、こんなに分けつするように栽培します。 そのせいか、同じ品種の「あいちのかおり」の稲の茎1本の太さにも違いがでます。 10年間有機肥料すら全く補うことなく 見事な稲が取れつづけていることに驚嘆してしまいます。 しかも、作れば作るほど年々土が良くなっているのだそうです。 |
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比較させていただいたのは、隣地の義父様の稲です。 左の方が1日早く刈っています。 慣行農法(通常栽培)と 自然農法 茎の太さにご注目!! |
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一緒に見学したたんぽぽさんが率直インタビュー!!
「あのう、自然農の野田さんは田植え後、どんな作業をしてみえるんですか?」
野田さん曰く
「やはり、稲が小さい間は草刈りですね。極力草を抜いてしまわないように、草に負けないようにします。ですから、田植えの際に南北の稲と稲の植付け幅を慣行農法の倍の40センチにしています。」
「ということは少ない種でたくさん収穫できるってことでは?」と常々疑問に思っていたことをお伺いしたところ
「それが、どちらも測ってありませんが
自然農では4畝くらいで2俵(反収5俵)くらいではないかと思います。
・・・慣行農法では反収8俵でしょうか。」
(野田さんの師、川口先生は反収7俵、徳島の先輩は反収10俵だそうです。)
近年お米の収量が増えてきましたので少しは理解してもらえたらと思うのですが
義父から見ればまだまだ足腰は軟弱で半人前だし、面積あたりの収量は慣行農法に比較してさほどでもありませんのでとても理解してもらえません。
でもあぜ草刈りや稲刈り脱穀など、手伝ってくれますのでありがたいと思っています。」と控えめな口調。
ひとクワひとクワでの田起こし、代掻き、田を這っての草取り、半世紀前の農作業は今と比較して大変過酷な労働だったのでしょう。その経験のない私ですが過酷な労働から解放されたいという気持ちはよく理解できます。
過酷な労働を思い出して昔に逆戻りするのは困ると思うのは自然かもしれません。
これらのことから、業として慣行農法をやってきた人たちは自然農法を受け入れ難いようだ。
でも、一風変わった野田さんの米作りに対するこだわりと楽しみを
遠巻きながらも見聞きしたり、気が向くと田んぼへおじゃましていたら、
自然農の仲間が一人また一人と現れ意気投合していくのを目撃してしまったのだ!!
自分自身に問うても、「これならやってみたい」と思う。
この日の午後から、またおじゃましてみると、隣町からうら若き女性が訪れていた。
「あっ、こんにちは。本当にこんなに早くまたお会いできるとは!!」
彼女は1週間ほど前、常滑市内で開かれた環境セミナーに参加し
「実は明日、新潟へ行き稲刈りを手伝ってきますが、いわゆる環境問題ばかりでなく、もっとみんなが農業や安全な食にも関心を持ち、大切にしてくれたら社会が変わるんじゃないですかねぇ」
と発言した人だった。
その発言にひかれてか、閉会後彼女と野田さん
そこへ割り込ませてもらった私と3人で話をした記憶がよみがえった。
稲刈り見学の日から時間が経過している間に
どうやら、この知多半島の ”常滑” の地で”自然農の学びの場”ができそうな気配です!!
皆さん、お楽しみにっ!!
自然農法では
稲刈りの後も
脱穀(動力を使わない足踏み脱穀)
乾燥
籾すり(この作業は電気の力を借りる)などを
極力自然の力と手作業で行う
■2002.9 出穂
■2001.9.15 ちた『地球村』のMM 野田さんの田んぼ見学会
■2002.6〜7 生育の様子
■2002.5. 野田さんの面白田植え
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chitaクリックレポート 2002.10.18UP
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