ある日のできごと
春うらら、4月に入って急に暖かくなり、今日は常滑地区のお祭りの日。
お祭りはさておき、気の知れた仲間といっしょに花見に出かけた。
美浜町、花のお寺の心月斎。隠れた花見の名所なのだ。
春の花見は数多くすれど、花吹雪の中で、他の花見客も無く独占状態での花見は記憶にない。
食事は、河和 「やまざと」の1000円弁当。これが、すばらしく手の込んでいる弁当だった。
いい気になって、花見宴会をしているうちに時間は過ぎ、かねてから予定していた なぞの場所「美術の森」に向かうこととなった。
田んぼの中の一軒屋の美術館。
ひとりでならとても入る気になれない、たいへん勇気のいるところ。
しかし、ここには、あっと驚くとんでもないものが存在しているのだ。
秦の始皇帝 兵馬俑とともに出土した銅車馬
秦の始皇帝
誰もが疑問をいだく、「なんでこんなものがこんなところにあるの?」
始皇帝を運んだ御者、長寿の亀を模した馬車
その馬車の文様の圧倒的な存在感
ともに出土した青銅製の盾と矛、そして黄金の鞘
唐草文様の想像上の珍獣 始皇帝の銅車馬を取り囲むようにして守っている。
日本の美浜町にいながら、時は2,200年前に逆戻りし、心は遠く中国に瞬時に飛んでしまう。
その精巧さは西安の現存する兵馬俑博物館に収められている物よりも、より繊細に、美しく、確かなものとして存在している。
これは、本物なのか、誰かが模した偽物なのか? こんなものを模することができるのか?
しかし、ここにあるものは、その疑問を吹っ飛ばしてしまうほどの存在感をもって、事実ここに置いてある。
疑う人も、一度行って見てみるといい。
いったい、このようなものを作らせた始皇帝というのは、どんな人間であったのか?
興味はその人物や周りの人物像群までも、よみがえらせてしまうのである。