今月は日本人にとって、語り継がれていかなければならない
大変な出来事が起こった特別な月です。
         テーマを「平和について考える」ことに絞って、本をおすすめしてみました。
                                                          

非戦           
                                          監修:坂本龍一
                                                幻冬舎
                                           1, 500円+税
戦争が答えではない     
 
坂本龍一氏は、アメリカで同時多発テロ事件が起こった時、くずれ落ちる世界貿易センタービルをいくら凝視してもその光景が信じられず、ただ茫然とながめていたそうです。 そう言えば、わたし達もテレビから映し出される光景をまるでテレビゲームか映画の1シーンのように眺めていたのを思い出します。
その坂本龍一氏が大手メディアの流す報道の多くがアメリカ寄りで、そこからは、テロと戦争の真実は見えてこないと感じ、2、3人の友人達と重要だと思われる論考や記事をメールで送り合っていたそうです。そして、そのメーリングリストに、次々と新たに友人達が加わり、論考も記事も増え、それをまとめたものがこの「非戦」なのです。
執筆者リストの中には、坂本龍一氏をはじめ、村上龍、マドンナ、オノ・ヨーコ、桜井和寿、辺見庸、中村哲、バーバラ・リー他、実に50人もの人達の意見が掲載されています。職業も音楽家、作家、アメリカの議員、政治学者、医師とさまざまで、いろいろなものの見方や考え方があると気づかされます。
現在、中東をはじめとして、戦争の心配はつきません。もしかしたら、自分の近くにもテロリストが潜んでいるかもしれません。わたし達はどうしたら戦争のない世界を実現できるのでしようか?核戦争で人類はいつか、滅びるのではないでしょうか?原爆で亡くなられた方々や今でもその後遺症で苦しんでいる長崎や広島の方々の無念さをわたし達は日本人として、どうして伝えていったらよいのでしょうか?
その答えやヒントがこの本には、あります。世界の平和を望むにはまず、自分が「非戦」という希望をもち、まわりに広めていくことなのだと思います。
あらしのよるに   
                                             木村裕一作
                                                講談社
                                            1,000円+税
                                                                                                    
まっくらな小屋の中でヤギとオオカミがこんばんは。
この童話は第6部まであるシリーズの第1部て゛、第42回産経児童出版文化賞JR賞と第26回講談社出版文化賞絵本賞を受賞し、小学生から大人までが楽しめる本です。
あらしの夜に一匹のヤギとオオカミがちっぽけな小屋の中で出会います。くらやみでお互いの正体に気づかぬまま友達になり、あらしの次の日のお昼にまた、会う約束をして別れます。約束の日にはたして何が起こるのかを想像し、このお話は第2部へと続きます。
今、某新聞の夕刊の第1面に中東和平について「愛憎のはざまで」という特集記事が載っています。わたしは、この童話とその特集記事がとっさにリンクしてしまいました。一例ですが、あるユダヤ人の主婦がテロ犯人のパレスチナ人の若者をリンチから救いました。ユダヤ人社会の反応は二通りに分かれ、「同じユダヤ人として感謝します。」と言われた一方で、「テロ犯を助けるような人間は乗せられない」とバスの乗車拒否をされたりしました。この主婦は言いました。「生まれて以来、わたしのまわりは殺し合いばかりでした。不信、憎悪、対立、自分の生活だけでも疲れているのに、もう憎しみ合いはたくさん。」
さて、6部まで続くこのお話の中でヤギとオオカミの決着はどうなるのでしょうか?憎しみを克服できるのでしょうか?もしかしたら、いつまでも戦争を繰り返している人間の方がこのヤギやオオカミよりも愚かなのかもしれません。

      
   
          真剣に平和について考えてみよう!!
                                          
 
                

    核と非暴力    
     原子爆弾がもたらした最大の悲劇から正しく引き出された教訓は、
     ちょうど暴力が対抗的な暴力によって一掃されないように、
     原子爆弾も原子爆弾の対抗をもってしては
     滅ぼすことはできないということである。
     人類は、非暴力によってのみ暴力から脱出しなければならない。
     憎悪は愛によってのみ克服される。
     憎悪に憎しみをもってすることは、
     ただ憎悪を深め、その範囲をひろげるだけである。             


  
1869年10月2日、非暴力主義の提唱者でインド建国の父と呼ばれる、マハートマ・ガンディーはインドのポルバンダールに生まれました。
ガンディーは裕福な商人の家に生まれ、イギリスに留学して法律を学び、その後、南アフリカ共和国に赴いて、外国商社の訴訟問題にかかわる内に、人種差別の問題に直面。そこから、インドの独立運動に身を投じることになります。
何度も投獄されながらも、彼は一切の武力闘争を否定し、非暴力・不服従の姿勢を貫いて、断食闘争などを続けました。
この静かな抵抗運動の広がりにイギリスもとうとう、第二次世界大戦終了後、インドの独立を認めざるを得なくなります。ところが、今度は宗教的な対立から、この国はインドとパキスタン(現在のパキスタン及びバングラデシュ)の2つに分裂したまま独立することになってしまいました。
ガンディーはこれに対して、宗教の融和と寛容を訴え、両国の統一に力をそそぎますが、そのさなか、1948年1月30日、右翼の過激派の銃弾に倒れることになりました。
                 

            現在もなお、パレスチナでイスラエルでアフガニスタンで世界のどこかで
                      紛争が起こっているのです。                               

                    戦争のために亡くなった世界中の多くの方々は、
                  天国からどのような気持ちでこの地球を見つめているのでしょうか?

しかし、もっと大事なことは、
「人を殺すな」
「生き物を殺すな」
ということです。

人を殺すテロや戦争、
生物を殺す環境破壊、
次世代を苦しめる債務や金融システム、

これを、
どう「希望」へと変えていくか、です

               「非戦」より




             今月の「あらしのよるに」は先月にひきつづきまして、ご紹介していただいた本です。
                     誠にありがとうございました。
                皆さんのご意見やご感想を「気楽に井戸端会議」へ書きこんでください。
           
なお、今月の「正しい日本語」はお休みさせていただきましたが、来月からまた、復活予定です。
          がついているものと下の表の色文字の本は知多クリック事務所で貸出しておりますので
              お気軽にお問合せください。また、皆さんの推薦本もメールにてお知らせください。
                            
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