早いもので、もう師走。年賀状製作、大掃除、忘年会となにかと忙しい時期です。
そこで、今月は気軽に読めて感動できる話題の本、2冊をおすすめします。

                                                          

天国の本屋                             松本淳+田中渉著
                                           かまくら春秋社
                                            1000円+税

                                                                                                                                                                                                 きっと本が好きになる      
この本は、2000年末に出版されたものですが、盛岡市内の書店員の方がすすめて、口こみで広がり、今年になって人気に火がつき、ベストセラーになったようです。
物語は、大学卒業を控え、就職が決まらず焦っていた青年が、ある夜、不思議な老人とコンビニで出会い、天国に連れていかれることから始まります。天国の本屋さんでアルバイトとして働くこととなり、本の読み聞かせを通じて、子どもだけでなく、大人とも心を通わせ、、初めて天国で自分の生きがいを見つけるのです。物語の大筋は、ただ一人、この青年に冷たく、本の読み聞かせにも関心を寄せないとても暗い過去を背負った女の子とのラブストーリーなのですが、その結末には、驚かされ、感動させられます。
本の読み聞かせに何回も浜田廣介著の童話「泣いた赤鬼」が登場するのですが、わたしも小さい頃、大好きだった本で母に読んでもらった記憶が蘇り、とても懐かしく、暖かい気持ちになりました。
今、悲しみの中にいる人、生きているのが辛いと感じている人、なんとなく人生に目的をもてないでいる人でも「生きているのって、悪くないな。きっといいこともあるよ。」って、素直に励まされ、癒される素敵な作品だと思います。また、小学生から大人まですぐに読めて、どんな人でもこの本がきっと好きになり、何回も読み返してみたくなる作品でもあると思います。
 こころに届く授業                                      
                                     河合隼雄、谷川俊太郎著
                                                小学館
                                            1000円+税
                                                                教える楽しみ、教わる喜びを
京都大学名誉教授で心理学者の河合隼雄氏は、大学で数学を勉強した後、大学院で心理学を専攻し、人より4年遅れた人生を送ったそうです。詩人の谷川俊太郎氏は、勉強についていけなくて、中間の学校にはいられなくなり、夜学に転校してやっと高校を卒業したそうです。そんなお二人が、朝日新聞社の企画で、実際に小中学生十数名を相手に40分から50分の授業をしたのです。その授業風景とその後のお二人の対談がこの本には、載っています。
とにかく、授業の様子がとても生き生きとしていて、子ども達が自由に反応して目を輝かせている姿が目に浮かぶようです。間違った答えを面白がったり、でたらめな俳句の読み遊びをしたり、「普通ではない」方法で算数と国語を教えているのですが、子ども達に「もっと学びたい」という気持ちにさせているのがよく伝わってきます。
先日、「日本の子どもの勉強時間は世界で最低レベルである。」というOECDの調査結果が発表されました。バブル経済が破綻して、学校で勉強しても高い社会的地位を得ることが難しくなったことが原因に挙げられていました。しかし、このお二人の授業のように、本来の「学ぶ」ことの楽しさを教え、テストの点数にこだわらず、何かひとつでいいから、興味をもてるようにしてあげることが今、親や教師が子ども達に本当にしなければいけないことのように思いました。子どものやる気のなさを責めるのではなく、まずは、子どもの長所を声に出して誉めてみることから始めてみないといけないですね。

      
   
            目からうろこの  
                  日頃使っている言葉は、実はこんな意味だったのです

                          
            11歳の少年が繰り広げる夢と冒険と友情の物語「ハリー・ポッター」は、
            「奇想天外」なストーリーが人気を集め、先月発行されたシリーズ4作目の
                   「炎のゴブレット」も現在、 売り上げ第一位のようです。

「奇想天外(きそうてんがい)」   アイデアはどこから生まれる?
湯川秀樹博士は、ノーベル賞の対象となつた中間子理論をベットの中で思いついたというし、かのアルキメデスは、お風呂の中で原理を思いついたそうだ。というと、発想が生まれる舞台は意外なところにあるらしい。
「ふつうの人が思いつかないような考え」を「奇想」と言うが、こうした奇抜なアイデアは、「奇想天外に落つ」というように、「天の外」からふと降ってくるとされている。「天外」とは、宇宙の果てのひじょうに遠いところという意味だが、湯川博士のエピソードのように「天外」とは意外に私達の身近なところを指しているのかもしれない。               

一方、映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」も先月、公開されましたが、
二日間で観客約160万人以上を動員し、日本の映画興行の新記録となりました。
もはや、「ハリー・ポッター」の人気は「折紙つき」ですね。
「折紙つき(おりがみつき)       人間に紙をつけるのか?               
犬や猫には「血統書」、名画には「鑑定書」がないと、素人の目には真贋(しんがん)がわからない。昔も、これに相当するものがあり、和紙を二つ折りにしたものを、鑑定紙として使った。この二つ折りの紙のことを「折紙」といい、この「折紙」の鑑定書がついた書画、刀剣、器物等を「折紙つき」と呼んだところから、保証する価値のあるものを「折紙つき」と呼ぶようになった。           

                              柴田 武著 「常識として知っておきたい日本語」 幻冬舎より

                    あなたの解釈や使い方は正しかったでしょうか?              
 

                                  

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