本があって、ほんとうに救われたと思える瞬間が人生には必ずある。
それは忘れないようにしたい。本が与えてくれるもの。
それは受け取る側の問題だが、時には無限ということもあるのだから。
                            北方謙三「みんな本を読んで大きくなった」より

イラクの小さな橋を渡って            池澤夏樹著、本橋成一写真
                                               講談社
                                            952円+税

                                                                                                                                                                                                 この時期だからこそ、読んでほしい本     
米英軍とイラクとの戦争が始まって、2週間余りが過ぎ、戦争の長期化と泥沼化がとても心配されています。また、誤爆により、住宅地が被弾し、連日の民間人の死者や負傷者がでたというニュースには、とても胸が痛みます。
この本は、2002年10月末に著者がイラクへ行って、普通の人々の生活の様子を淡々と綴ったものです。また、その人々の写真も各所に掲載してあります。著者は、「遺跡を見る」目的もあったのですが、イラクのことを考えて、もしも戦争になった時にどういう人々の上に爆弾が降るのか、そこが知りたかったそうです。湾岸戦争でアメリカは数万トンの劣化ウランを使用し、イラク南部には放射線症に苦しむ子供や大人がたくさんいます。ヒロシマ、ナガサキに次ぐ核戦争だったと言っても過言ではないそうです。また、湾岸戦争後の国連の経済封鎖で食べ物や医薬品が不足して、乳幼児の死亡率は5倍になり、普通ならなんでもないはずの肺炎なのに子供たちは、あっさりと死んでしまったそうです。一体、生まれた子供の何割が無事に育ったことでしょう。でも、著者が訪れた時、イラクの人々は、とても明るくておそろしく親切であったそうです。人と人の間の敷居が低く、今の日本に見るような冷ややかさはなく、とてもあけっぴろげのようです。各所に掲載されている写真のくったくのない笑顔からもそんな様子が十分、伝わってきます。この普通のイラクの人々の生活や笑顔を再び破壊してしまうことが本当に許されることなのでしょうか。
1日も早い終戦を願って、皆さんもこの本を通じてイラクの普通の人々を自分の身に置き換えて、考えてみませんか。一体、人間はいつになったら、戦争のない世界を実現できるのでしょうか。
かけがえのない自然                                      
                                           柴田敏隆監修
                                             カワイ出版
                                          1.262円+税
                                                                今、人間はどう自然とつきあうべきか
今、わたし達は宇宙船地球号の乗組員の一人として、自然とどうつきあったらいいのかが問われていると思います。わたし達が緊急に対応をせまられていることは、
 1:COの増加による地球温暖化
 2:フロンガスのオゾン層の破壊
 3:酸性雨
 4:南半球の熱帯雨林の消失
 5:アフリカの砂漠化
 6:放射能による環境汚染
 7:人口の爆発的増加の問題
の7つのようですが、とても手に負えないと思われるかもしれません。しかし、わたし達のような個人の暮らしと必ず、どこかでつながっています。言い換えれば、わたし達の暮らし方でできることがあるのです。わたし達の暮らしを自然の仕組みや生命の原則に沿ったものにしていく試みが大事だと思います。この本は、ナチュラリストの柴田敏隆氏他、7人の方が、人間は自然とどう向き合ったらいいのかについて書いたものです。もっと自然に関心をもち、自然を見つめ、どう耳を傾けるべきかを教えてくれています。4月は、桜の開花に日本人の誰もが注目をします。しかし、一年中、自分の家の周りの自然でいいので、気にしてみませんか。もしかしたら、一羽のすずめが教科書よりずっとずっと多くのことを教えてくれるかもしれません。「自然は、将来の子孫からの借り物」なのです。

      
   
            
                  
             ここにとりあげたものは、日本語の宝石です。暗誦、朗誦することによって
            こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、
            生涯にわたって折に触れてその輝きを味わいたいものです。

                                           

              
伊勢大輔

いにしへの奈良の都の八重桜

         けふ九重に匂ひぬるかな

(読み)
いにしえの ならのみやこのやえざくら
きょうここのえに においぬるかな
                         百人一首より
 解説
 (意味)
 昔の奈良の都の八重桜が京の宮中で美しく咲いている。
 (作者)
 伊勢大輔(生没年不詳)
 神祇伯大中臣輔親の女、代々歌人の系に生まれ、
 祖父は大中臣能宣(49番の作者)
 上東門院障子に仕え、後に高階成順と結婚した。
 中古三十六歌仙の一人。

              声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが
            体に染み込んできませんでしたか?また、情景をイメージすることによって、
                    右脳も活性化されたことでしょう。              
 

                                        斎藤孝著「声に出して読みたい日本語」より

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