本を読む、ということは、まさに生活力、生命力を身につけることなのだ。
たんに物知りになるだけになるだけでなく、生きてゆく力を与えてくれるのである。
なぜなら、言葉は、いろんな考えかたを、連れてきてくれるから。
どうか、うんと本を読んで、言葉をおぼえ、考え方を広くしてほしい。
                            田辺聖子「みんな本を読んで大きくなった」より

わら一本の革命

福岡正信著
春秋社
1.602円+税

                                                                                                                     自然農法が地球を救う     
この本は、初版が1983年で今から20年位も前に書かれた本ですが、環境問題が深刻化している今だからこそ、読んでみるといい本なのだと思います。
昭和13年頃、横浜税関植物検査課に勤め、植物病理の研究室で顕微鏡を覗いていた青年がある日突然、人智を否定し、科学を否定する考え方に変身します。辞表を提出して「自然を前に人間は何もしなくていい。」という考え方を実証するために、故郷の愛媛県でみかん作り、米作りを始めます。病気のない人間にとっては、医学も医者も必要でないように何もしない農法、楽農、惰農を目指します。その農法の四大原則は、1.不耕起  2.無肥料 3.無農薬 4.無除草と当時、普通に行われていた農業をまるで否定するようなものでした。今でこそ、自然農法、有機農法の素晴らしさが認められていますが、昭和初期の頃では、そのような考え方はどこへ行っても奇人扱いであったでしょう。
この本は、種をまいてわらをしくだけで何もしない農法の単なる成功本ではなく、私達に「人間は本来、どう生きるべきか」を考えさせてくれる本だと思います。昭和56年にアメリカへ旅行した著者が思ったことを紹介します。
「今、アメリカは高度の文明を誇り、その維持と繁栄のため、武器と食料の硬軟二つの戦略兵器を強力に推し進めることに躍起になっているようにみえるが、その矛盾が至る所で暴露され、崩れつつあるようにもみえる。昔のアメリカインディアンの生活に今こそ学ぶべきではないか、大自然の偉大な精神の復活に望みを託すべきではないか。」
まるで、誰もが危惧している今のアメリカの姿とそれに追従し、経済不安を招いている日本の姿をを見事に言い当てていると思いませんか。
私達が今の生き方や考え方を変えない限り、近い将来、人類も地球も崩壊してしまうのかもしれません。私達は今、自然と文明のおごりのはざまで岐路に立たされているのかもしれません。
ヒト ニ ツイテ                                      
                                            五味太郎著
                                               架空社
                                          1.000円+税
 大人に読んでいただきたい絵本                                      五味太郎さんは1945年、東京で生まれ、ユニークな絵本を300冊以上も発表されています。「きんぎょがにげた」「たべたのだあれ」「さる・るるる」等、皆さんも小さいお子さんに読み聞かせてあげた本があると思います。海外や日本国内で数々の絵本の賞を受賞されているばかりでなく、最近は、自伝的エッセイ「ときどき少年」(ブロンズ新社)で「路傍の石賞」も受賞されてます。
そんな少年の心をずっともち続けている著者のこの作品ももちろん、絵本です。絵本なのですが、大人の人に読んでいただきたい絵本なのです。たった何十行かの文字しかなくて、読むのに5分もかかりません。でも、何回も読みたくなり、読み返しているうちに新しい発見をしていく内容の深い不思議な絵本なのです。
さて、イラク戦争が終結した現在、国連安全保障理事会は部族間の対立で400名以上の死者が出ているコンゴにフランスを中心とする多国籍軍を派遣することを決定しました。
一体、いつになったら、この地球上から争いがなくなるのでしょうか。どうして、人は、同じ過ちを繰り返してしまうのでしょうか。「ヒト ニ ツイテ」・・・。一番身近でありながら、一番、難しい永遠のテーマなのでしょうね。

      
   
            
                  
             ここにとりあげたものは、日本語の宝石です。暗誦、朗誦することによって
            こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、
            生涯にわたって折に触れてその輝きを味わいたいものです。

                                           

              
持統天皇

春過ぎて夏来にけらし白妙の

         衣ほすてふ天の香具山

(読み)
はるすぎてなつきにけらししろたえの
ころもほすちょうあまのかぐやま
                         百人一首より
 解説
 (意味)
 いつか春も過ぎて、夏が来たらしい。香具山にみそぎをする乙女達の白い斎衣が干されているという。
 (作者)
 持統天皇(645〜702)
 41代天皇。天智天皇の第ニ皇女、天武天皇の皇后。
 藤原宮に都を移した。


声に出して読み上げてみると、そのリズムやテンポのよさが
体に染み込んできませんでしたか?また、情景をイメージすることによって、
右脳も活性化されたことでしょう。              
 

                                        斎藤孝著「声に出して読みたい日本語」より

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