現代の情報過剰時代に、情報を選択できる技術を身につけるには読書が一番である。
だからぼくは、講演のたびに読書をすすめている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宗田　理「みんな本を読んで大きくなった」より

頭がいい人、悪い人の話し方　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　樋口裕一著 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＰＨＰ研究所 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７１４円＋税 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ”バカ”と呼ばれないための知的実用書 学校時代なら試験があり、試験の点さえ良ければ賢いとみなされます。しかし、いったん社会に出れば、毎日の仕事上での会話の内容が賢いかどうかの判断基準になってしまうとは思いませんか？また、何気ない会話、ほんのちょっとしたおしゃべりでも相手の知的レベルが分かるようなことはありませんか？ この本は、「道徳的説教ばかりする」「ケチばかりつける」「優柔不断ではっきり言わない」「ありふれたことしか言わない」等々の愚かな話し方の実例を挙げて、“周囲の人の対策”や“自覚するためのワンポイント”を教えています。読んでいると、自分に思い当たる点が多々あったり、失礼ながら自分の周囲の人の顔が浮かんだりしました。 著者は仏文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、小学生から社会人までを対象にした小論文の指導をしている文章指導のプロであって、話し方のプロではありません。どちらかというと、内向的で口下手、人前に出ると気後れし、会話にはかなりの苦手意識をもっているそうです。だからこそ、周囲の人々の話し方を観察して見習うべき話し方、反面教師にするべき話し方を意識できたそうです。したがって、わたし達もこの本の愚かな話し方の実例から学び、少し意識をもって訓練すれば頭の良い話し方ができるようになれるのです。もしかしたら、人望を集めて豊かな人間関係を築くことができ、より良い人生を送ることができるかもしれません。また、いつもイヤなことを言われて、苦手だと感じていた相手との関係を改善できるかもしれません。

手袋を買いに　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新美南吉著 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小学館 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５３３円＋税 郷土の偉人、国民的童話作家の作品 わたし達郷土の誇りである新美南吉は、今や宮沢賢治と並んで国民的童話作家として不滅の存在です。ご存知のように、弱冠１８歳の時に書いた「ごんぎつね」は彼の死後、昭和３１年から小学校４年生の国語の教科書に載り始め、現在ではすべての教科書で採用されています。 この本には、「手袋を買いに」「ごんごろ鐘」「狐」「久助君の話」「嘘」「屁」「耳」「疣」「小さい太郎の悲しみ」「百姓の足、坊さんの足」「和太郎さんと牛」の１１編が収録してあります。郷土の風景を背景に、あくまでも庶民の立場に立って人間の本質を考えようとする作品ばかりで、どれも子ども文学にとどまらない味わい深さがあります。わたしはこの本の中では特に、「手袋を買いに」と「百姓の足、坊さんの足」が好きです。「手袋を買いに」は、母狐と子狐の情愛を暖かく描き、帽子屋の誠実な対応にホッとしていると、「ほんとうに人間はいいものかしら。」とつぶやく母狐の言葉が重く突き刺さり、考えさせられます。それに対して「百姓の足、坊さんの足」は、人間は弱く、時には罪を犯してしまうこともあるが、悔い改めて正直に生きれば報われ、罪を意識しない生き方が極悪であると答えを投げかけています。しかし残念なことに、今年も三菱自動車の欠陥隠し問題、フジチクの牛肉偽装事件等、罪を意識しない人達の問題がどれだけ、世間を騒がせたことでしょうか。

　　　
　 　　　　
　　　　　　　　　 　　　　　　　　
　　　次の４つの絵は、あることわざを意味しています。さあ、あなたには何問わかりますか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Ａ	Ｂ
Ｃ	Ｄ

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（頭の体操の答え）

Ａ　雀の涙　　　　Ｂ　紅一点　　　　Ｃ　猿も木から落ちる　　　Ｄ　尻の穴が小さい