クレンザーに入っている研磨剤って、何でできているの?


クレンザーには昔ながらの粉末のものと、液状のものがありますが、どちらも他の台所用洗剤と違って、水に溶けない研磨剤の粉が入っているのが特徴です。


 ラベルの成分表示を見てみると、ただ「研磨剤」とかいてあり、粉末の物で90%ほど、液状の物で50%ほどです。そして、「界面活性剤」が数%です。界面活性剤についてはその種類が何なのか、石鹸とか直鎖アルキルベンゼンスルホン酸系とか書いてありますが、研磨剤については、それ以上のことを書いてある製品は、あまりありません。

実際どのような物質が使われているのか調べてみるとずいぶんいろいろあります。

石英粒子、カルサイト粒子、珪砂、天然ケイ酸系鉱物、ケイ酸アルミニウム系鉱物、シリカゲル、珪華微粉末(オパール質珪石)、シラス超微粒子研磨剤、白土。

各社ばらばらです。水に溶けず、適度な大きさと硬さの粒子であって、値段が安ければ良いということなのでしょう。これらの名称は、化学名、鉱物名、一般の通称であって、不統一です。

石英科学的には二酸化ケイ素。花崗岩などを作る鉱物です。普通の砂にも粒子が含まれています、これを主成分とする岩石や砂を砕いて細かくして研磨剤として使っている。

珪砂主に石英からなる砂のことで成分は同じ。硬度は7です。
珪華温泉で沈殿してできた蛋白石(オパール)です。科学的には二酸化ケイ素が水を含んだかたちで、硬度は5から6です。

カルサイト 日本語で方解石といいます。成分は炭酸カルシウムです。大きな方解石の結晶が大理石で、その硬度は3です。

白土・ケイ酸アルミニウム系鉱物 粘土鉱物のことをさしています。長石が風化してできたカオリナイトなどがその例で、硬度は2から2.5です。


このように、いろいろな物が使われています。硬度が違うことに注目してください。

石英のように硬度が高ければ、汚れを削り落とす作用は強くなりますが、磨く物を傷つけやすくなります。カルサイトのように硬度が低いものは、傷つけるおそれは少なくても、こびりついた汚れにはむかないのかも。

 クレンザーを買うときは研磨剤の成分が表示してある製品があれば、このことを考えて選べますね。

飲食店の厨房などでは、はねた汚れを毎日清掃するため、食品に入ってしまうことを考えて、界面活性剤なしの研磨剤だけで洗う店もあります。
                                    「気になる成分表示100の知識」より