- 栗 -
選び方のポイント
栗は皮につやがある丸々としたもの、ずしりと重いものが新鮮で完熟している証拠。
塩水(水100ミリリットルに対し塩3グラムの割合)に浮かべ、沈んだものはほくほくして甘く、浮いたものはあまり甘くない。
浮き沈みの原因は「デンプンの量」
デンプンが多いということは、アミラーゼがデンプンを糖に変える余地がたくさんあるため、甘い栗に仕上がる可能性が高い。浮いた栗はデンプンが少ない分、調理による煮くずれがしにくいという特徴がある。加工に対しては、むしろ沈んだ栗よりも適している。
美味しく料理するウラワザ
「栗の保存」 -冷蔵庫のチルド室- 栗はとても魚同様デリケートな食べ物で、ほうっておくと、“呼吸”によって糖分が減ってしまう。
そこで、栗を0度で貯蔵すると、中の糖分は、3日で2倍、30日で最高の4倍まで上昇します。家庭では、冷蔵庫のチルド室(肉や魚を入れるところ)に、乾燥をふせぐためにポリ袋に入れて保存するのがおすすめです。
栗は発芽の準備のため、エネルギーとなる糖を大量に生み出さなければなりません。そのため、糖を作り出すアミラーゼが大増殖します。アミラーゼは寒さが苦手ですが、数で勝負。ゆっくりながらも大量のアミラーゼが働くため、多くの糖ができるのです。栗を冷蔵庫に入れ、栗に冬と勘違いさせて、アミラーゼをふやします。
栗の皮を簡単にむく方法 --
圧力鍋で加熱10分 ゆでる圧力鍋に栗がかぶるくらいの量の水を入れ、火をつけます。圧力のつまみがまわってきたら10分ほど加熱ののち、火を止め、自然減圧します。
圧力鍋を使うと、栗の実と渋皮の間にあるわずかな空気が、急な加圧のあと減圧されることによって一気にふくらみ、栗の実と渋皮の間にすきまを作ります。これによって、簡単に皮がむけるようになるのです。
※圧力鍋の種類により調理時間には若干の差があります。
高性能のものだと、一番弱い加圧でも7分ほどでできあがります。フライパンでの調理法
熱湯で2分ほど栗をゆでて鬼皮をむいたあと、渋皮に必ず切れ込みを入れて(切れ込みを入れないと油がはねるおそれがあります)フライパンで炒めます。油の量は、炒め物をするときよりは少し多めで、炒める目安は、渋皮の色がかわるくらいです。
※油で揚げたほうが早い
栗を揚げるのがちょっと怖いという方には、炒めるほうをおすすめします。
渋皮は炒めるとぱりぱりになり、渋皮ごとそのまま食べても気になりません。
なお、渋皮にはポリフェノールも含まれており、「渋皮が体に悪い」ということはありません。ゆでると、せっかく作られた糖分が水に溶けてしまいます。
そこでベストの方法は“蒸す”。
“土鍋”と“蒸す”を組み合わせると糖度が10になり、天津甘栗並みの糖度になりますす。土鍋でじっくり 蒸す
- 土鍋に蒸し皿をひき、水を入れる。(栗1キロに対し水1リットル)
- 火をつけ、土鍋から湯気が出てきたら、栗を投入。
- ふたをして1分したら火を止め、10分むらす。
- 【ポイント】この10分間に、余熱でじんわり火が入って、アミラーゼが活性化して甘くなる!
- 10分後再点火し、あとは、中火で50分蒸せばできあがり。
※参考「NHK ためしてガッテン」甘さ6倍! 栗の感激・新調理術
栗ご飯のレシピ
皮をむくのが大変ですが、短い旬の間に絶対食べたい一品ですね
材料 |
作り方 |
栗 ・・・300g <米> 米 ・・・2カップ もち米 ・・・1カップ 水 ・・・3と1/3カップ <調味料> 塩 ・・・小さじ 1.5杯 しょう油 ・・・大さじ 1杯 砂糖 ・・・大さじ 1杯 酒 ・・・大さじ 2杯 ※塩味だけの方は色がきれいで栗の甘みが増すが、醤油味の方は色が栗にもご飯にもつくが冷めてもおいしい。 ※酒のかわりに同量のみりんでもOK |
●栗 ○一日水につけておく。 ○時間がないときは栗を熱湯の中に入れてしばらく浸しておく。 ○むき栗の場合は塩水でサッと洗い、 水気をきる。 ●米 ○栗の用意ができたら米、もち米を合わせて洗う。 ○分量の水加減をして30分ほど置く。 ●鬼皮・渋皮・アク抜き ○皮がしんなりしたら、いがについていた栗の底のところを包丁で一文字に深めに皮をむき取る。 その切り口から栗の先にむかって皮をひっぱるようにむく。 ○渋皮をむいて適度な大きさに切りに晒す。 ●炊く 栗と米と調味料を合わせて炊飯器で一緒に炊く。 ※最近の炊飯器はセンサーが調節してくれますが、炊飯器によって、炊き込む具(栗)を先に軽くゆでておき、後で米の表面にのせたりという指示があるものもあるようです。 |
材料 |
作り方 |
<材料>
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1)圧力鍋で8分ほどゆでる。 2)皮をむき細かくつぶす。 3)水が沸騰したら栗を入れ、牛乳を入れて温める。 ※牛乳を入れたら沸騰させない。 4)なめらかになったら塩で味を整え、お皿に盛り付ける。 5)生クリームと小口ねぎをのせてできあがり。 |
栗の渋皮煮
タンサン(重曹さえあれば)簡単に作れます。皮をむかずに丸ごと食べられます。
砂糖の量により、ちょっとの間保存もききますよ。
材料 |
作り方 |
栗 ・・・300g 栗 ・・・500g <アク取り> 重曹(タンサン) ・・・小さじ 1杯 <味つけ> ザラメ・三温糖など ・・・50g〜栗と同量 塩 ・・・ ひとつまみ (ブランデー・・・大さじ 1杯 香りづけ) |
●栗 ○一日水につけておく。 ○時間がないときは栗を熱湯の中に入れてしばらく浸しておく。 ●鬼皮 ○皮がしんなりしたら、いがについていた栗の底のところを包丁で一文字に深めに皮をむき取る。 その切り口から栗の先にむかって皮をひっぱるようにむく。 ここまでは栗ご飯と同じ要領です。 できるだけ渋皮を傷つけないようにむく、これがポイントです。 ●アク取り ○厚手のなべに鬼皮をむいた栗を鍋に入れ、水をひたひた位入れ、火にかける。 ○そこに重曹を入れ、20位分煮る。 ○火からおろし、水をはったボウルの中に入れて きれいに洗う すると渋皮のガサガサがとれつるりとなる。 ○きれいな水にかえて一晩おく。急ぐときはタンサンを入れてもう一度煮る。 ●味をつける ○栗が隠れる程度に水を入れ、沸騰したら砂糖を1/3ずつ分けて入れ、塩を入れて10分位煮たら砂糖を加え、更にあと2回砂糖を加えて煮る。 ○最後に好みでブランデーを入れて出来上がり |
栄養の話 栗の主成分は糖質。主な栄養素はたんぱく質と脂質そしてビタミンB1が少し。この脂にはリノール酸が含まれており、悪玉コレステロールを退治してくれます。カロリーはやや高め。
最後にもう一つちょっと気になる話、
最近の市販されている栗はものによって虫がつかないように殺虫処理を行なっている可能性があるとのこと。
種類-日本栗・ヨーロッパ栗・アメリカ栗・中国栗
日本栗の特徴は、大粒で肉が締まっていて調理向きです。
ヨーロッパ栗は実が大きく、缶詰、焼きグリ、マロングラッセなど菓子の原料として、
アメリカ栗は中くらいの大きさで、缶詰、菓子原料に加工されています。
中国栗=「天津甘栗」というほどで「甘栗」として加熱後、そのまま鬼皮をとって食べやすいのが特徴です。
日本栗の品種-流通しているのは
丹沢(たんざわ)、森早生(もりわせ)、出雲(いずも)、筑波(つくば)、有馬(ありま)、石鎚(いしづち)、西明寺(さいみょうじ)など
そして幻の栗といわれる利平(りへい)などがあります。
山に自生している、やや小粒の山栗(やまぐり)でもいろいろなお料理に使えます。
日本栗の産地-量では茨城が全国一位、京都の丹波地方、熊本、愛媛など
沖縄を除く全国県で栽培されており、旬には地元産のものも手に入ります。