6月号  

おすすめ読書


絵本はわたしの好奇心に灯りをつけ、次の本へと橋をかけ、
その本はまた次の本へと、わたしを誘っていきました。
                           肥田美代子「みんな本を読んで大きくなった」より

現代語訳 樋口一葉・十三夜他                     
                                    樋口一葉著、篠原一訳他
                                           河出書房新社
                                         1.200円(税込み)

                                                                                                                                                                           
悲しみにみちた運命を描く名作
昨年11月に新5千円札の肖像として樋口一葉が登場し、今までより身近な存在として一葉を感じていることだと思います。一葉は明治5年に生まれ、明治29年に肺結核のために24年という短い生涯を終えました。昨年1月の芥川賞を19歳と20歳の女性が受賞し、話題となりましたが、彼女も19歳で小説を書き始めました。17歳で父が負債をかかえたまま死去し、母と妹を養いながら貧しい暮らしから抜け出せず、結婚のチャンスも逃し、借金もかさみ、今の言葉でいう「負け組」の短い生涯でした。
「十三夜」は高級官吏に見初められ嫁いで7年を経た主人公のお関が夫からの冷たい仕打ちに耐えかね、実家を訪れます。しかし、父親に子どもや実家のために思いとどまるよう説得され、泣く泣く帰ることになります。ところが、帰る途中、雇った人力車の男はなんと初恋の人で幼なじみの録之助だったのです。お関と録之助のそれぞれの不幸が十三夜の月の光に照らし出されているようで、とても情緒豊かな作品だと思いました。また、一葉の不幸な生涯とも重なって、運命の残酷さに耐えかねる人々の深い悲しみが胸に染み入ります。「人の幸せとは一体、なんだろう?」と考えさせられる作品です。
古志の里U 中條均紀写真集                                                                                                                                                  
                                            中條均紀著
                                         新潟日報事業者
                                            2.500円+税
中越地震前の山古志村の心温まる風景の数々

新潟県中越地震で壊滅的な被害を受けた同県山古志村の風景を18年間も撮り続けている中條均紀さんのチャリティー写真展「がんばれ山古志村―古志の里」が先月12日〜17日まで松坂屋本店で開かれていました。山古志村の復興資金に収益をあてるために、仲間たちが協力して、山古志村役場に寄贈してあった写真パネルを持ち出し、あちこち傷だらけのまま展示して、写真展は開かれたそうです。この本は、1999年に出版された「古志の里」の続編で昨年出版され、この写真展でも販売されていたものです。
中條氏が食品会社の取締役工場長を務めながらも、夜中や早朝に時間をさいて18年間も山古志村を撮り続けているのは、山古志村には直線を組み合わせたような都会とは対極の自然と人の息づかいが一体化した温かさがあるからだそうです。なるほど、写真がよく分からない私が見ても、日本にもまだこんな豊かで懐かしい風景が残っていたのかと、感動します。残念ながら、今回の地震で村全体が使いものにならないほど破壊されたようですが、中條氏はこれから、「自然が自然として復活していく、その勢いみたいなものを撮りたい。」と述べています。私はどんな姿で再生を遂げるのか、今後の山古志村の風景写真もぜひ、見てみたいと思いました。


   
    頭の体操コーナー  
                  
   次の4つの絵は、あることわざを意味しています。さあ、あなたには何問わかりますか?                                           






難しかったですか?それとも簡単でしたか?
    答えはこのコーナーの最後にありますよ              
 

                                      

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2 林さんの「海からの便り」※内容、変更しました
林さん制作
1 林さんの活動報告「ビンボー学者と巨大プロジェクト」 13.3.18  中京テレビより

(頭の体操の答え)

A 残りのもには福がある    B 二枚舌   C 風前の灯火   D 出る杭は打たれる