今年の夏は本当に暑かったです。
地球温暖化の影響と思われる世界各地の水害もひどかったですね。
さて、少しずつ秋の気配が忍び寄るこの季節に
新しい本と出会い、自分探しの旅に出てみませんか?
                                                          

リトル ターン           
                               ブルック・ニューマン作、五木寛之訳
                                                集英社
                                            1,400円+税
ぼくは再び空を飛んだ     
 
今から30年近く前にベストセラーになった「かもめのジョナサン」を皆さんは覚えていらっしゃいますか?五木寛之訳のめちゃくちゃ元気のいい鳥のお話でした。困難と冒険を乗り切って、偉大な師との出会いによって、選ばれた一羽になる輝いた鳥のお話でした。同じ五木寛之訳のこの「リトル ターン」はあまりわたし達になじみのないコアジサシの物語です。しかも本来、コアジサシはアクロバット的な飛行技術がすぐれていて、その生涯の大半を空中で過ごす鳥なのに、この物語の主人公のリトルターンは、わけの分からぬままに突然、飛べなくなってしまったのです。外傷や病気ではなく、内面の問題で飛べなくなってしまった言わば、挫折者、引きこもりの物語と言ってもいいのです。彼は、ゆうれいガニという、なんとも奇妙なカニと友達になって、話をしているうちに再び、飛ぶことができるようになります。鳥は、その羽や翼がどれほど価値があり素晴らしいのかを知らなければ、本当に飛ぶことはできない、翼の下にあるすべての本質を見る必要があると悟ったのです。わたし達だって、長い人生の中で一度や二度の挫折や危機に必ず出会うでしょう。しかし、そういう時は立ち止まって、もう一度じっくりと自分を見つめ直すことが必要なのだとこの物語は訴えたかったのだと思います。また、20世紀が高く飛ぼうとする時代であったのに、今は逆に飛べなくなって呆然としている時代であるとも言いたかったのかもしれません。リトルターンは今を生きるわたし達自身なのかもしれないですね。
 生きかた上手                                      
                                           日野原重明著
                                             ユーリーグ
                                           1,200円+税
                                                                                                     
90歳を超えた医師からあなたへの贈りもの
今月15日は「敬老の日」ですが、この本の著者の日野原重明氏は1911年生まれの今年91歳になられる聖路加国際病院の名誉院長であり、現役のお医者さんなのです。この本は、雑誌「いきいき」の2000年5月号から2002年2月号までの連載をまとめたものですが、連載は今も続いているそうです。
この本を読んでわたしは、生と死を常に見続けてているお医者さんであり、91歳ならではの経験に基づいた著者の深い洞察力と生き方の核心が大変、勉強になりました。できるものなら、その生き方をお手本にしたいと心から思いました。もちろん、著者の人生も順調であったわけではなく、10歳の時には腎炎を患い、一年間も外で遊ぶことができなかったし、大学一年の終わりには、結核で8ヶ月の間、絶対安静でトイレにも立てなかったそうです。しかし、この経験があったからこそ、病む人の心が分かったそうです。人生にはむだというものはなくて、どんなつらいことでも苦しいことでも「体験」したことは、その人のその後の人生の強みになるのですね。
18年後の2020年には、日本人の4人に1人が65歳以上になると予測されています。これほどの爆発的な高齢化は、世界中のどこにも前例がないようです。でも、著者は65歳はまだまだ若い、75歳を過ぎてもなお元気で、その生きる知恵とパワーを結集させて、年寄りにしかできないこと、年寄りだからできることを、年寄りの使命として、年寄りの手で実現させようという「新老人運動」を提唱されています。なんだか、年寄りになるのが楽しみになりませんか?
生涯現役で、周りの人達に「ありがとう」と言って、人生を締めくくれたら最高に幸せですね。そのためには、自分で病気を作らないように、食事、運動、仕事、睡眠の日常生活で常に自分を戒める強い意志をもち続けないといけません。著者は言ってます。「習慣に早くから配慮した者は、おそらく人生の実りも大きい。」

      
   
            目からうろこの  
                  日頃使っている言葉は、実はこんな意味だったのです

                          
                  日本ハムグループの牛肉偽装問題は、雪印食品に続いて
                 またも国民と農水省を「こけにしている」と感じませんでしたか?

「こけにする」    苔が生えたのか?
釣りのヘタな人は、むやみに釣竿を上げ下げする。そこから、人をほめたり(上げたり)、けなしたり(下げたり)することを「こけの釣りを見るよう」という。この「こけ」を漢字で書くと「虚仮」である。仏教の言葉で、真実でないこと、外面と内面とに相違があることを意味する。そこから、愚かなこと、の意味になった。
技量の劣っている人ほど無駄な動きが多いことはたしかだが、「こけの一念」という言葉も、ウサギとカメの例もある。
せせら笑っているうちに、いつの間にか追い越され、「こけにされる」ハメにならぬよう、ご用心。               


一部大手スーパーやコンビ二、百貨店からも取引きを停止されてしまい、
これからどうやって消費者の信用を取り戻すかが、
日本ハムグループの「正念場」ですね。
「正念場(しょうねんば)」       念仏を唱える場所?               人形浄瑠璃および歌舞伎の演目のなかの四段目「寺子屋」は、古典劇の世界的名作と言われている。ここには、そう言われるだけの見せ場がある。
このように、歌舞伎、浄瑠璃などでの一曲一曲の最高の見せ場を「正念場」と言う。これから、一般的に、もっとも肝心なところ、だいじな場面のことを言うようになった。
スポーツの実況中継で、アナウンサーがやたらと「正念場」を連発するが、「正念場」は、そうたびたびあるものではないのである。           

                              柴田 武著 「常識として知っておきたい日本語」 幻冬舎より

                    あなたの解釈や使い方は正しかったでしょうか?               


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